ISTQB の Expert レベル概要
仕事柄、プロジェクトマネジメントの一環でテストのマネジメントもやることがあるので、時々 ISTQB (International Software Testing Qualifications Board) のサイトを覗いたりしています。偶然、Newsのページに Expert レベルの Introduction and overview のプレゼン資料がありましたので、興味のある所だけ訳してみました。
ISTQB とは?
念のため解説すると、ISTQBとはソフトウェアテストのプロフェッショナルを認定する資格を設けることで、ソフトウェアテスト技術者の育成を図ることを目的として組織された団体です。同一の名前を試験名として用いられています。各国のソフトウェアテスト技術資格認定運営組織が加盟しており、日本からはJSTQBが加盟しています。
Expert レベル試験の区分
- テストマネジメント(Test Management)
- テストプロセスの改善(Improving the Test Process)
- テストの自動化(Test Automation)
- セキュリティテスト(Security Testing)
- その他
1,2 は Advanced レベルの TestManager が、3,4 は Advanced レベル の Technical Test Analyst がそれぞれ前提となっているようです。例えばテストマネジメントを極めたことを証明するために本試験を受験する場合、Advanced/TestManager 試験に合格している必要があります。
Expert レベル試験の概要
Expertレベルの資格スキームは、ステークホルダーからの期待と認識の上で、本当の意味での"エキスパート"として見られなければなりません。そのため、資格は多岐選択式セクションと記述式の小論文セクションによって構成されています。75% 以上の正答で合格となります。
- 多岐選択式セクション
- 試験時間:1時間
- 問題数:20問
- 学習カバレッジ:K2, K3, K4(Advanced レベルと同等)
資格は無期限ではない!
Expert レベルの資格の有効期間は5年です。資格更新は以下の2つのうちのどちらかによって行う必要があります。
- 5年以内に再試験を受け、合格する
- Certification Extension Credits(CEC) を 200 ポイント貯める。CEC は様々な方法でカウントすることができます。例えば、
- プロのテスト活動を行う
- 関連するトレーニングコースを受ける
- テストカンファレンスに出席する
- テストカンファレンスで発表する
- テスト記事やテスト本を執筆する
- Working Group(NG, SIGIST, ISTQB) で活動する
- 上記を証明する証拠を試験主催者に提出しなければなりません。
- ISTQB によって資格延長プログラムが提供されます。
その他
その他、トレーニングコースやシラバスの策定状況などがプレゼン資料には記載されています。興味のある方は一度ご覧になってはいかがでしょうか。